身近な植物から、香りと自然を楽しむ時間


今年も7月に、玉川学園のサマースクールで、アロマとハーブを使ったクラフト講座の講師を担当させていただきました。


学校のご担当者様と相談しながら、できる限り学園内で育つ植物を教材に取り入れることを大切にし、ご担当者様をはじめ、関係者の皆様のご協力のおかげで、当日はさまざまな種類の花やハーブが教材として並びました。

子どもたちには、その中から自分の好きな植物を自由に選んでもらいます。
実際に植物に触れ、香りを感じ、色や形を観察する。
そして、同じ植物でも、一つひとつ香りや色、形が少しずつ違うことに気づく。

そんな身近な植物との出会いが、自然をより近くに感じるきっかけになってくれたら嬉しいと思っています。


香りと近くなる

ワークショップの前には、香りや植物の色について、少しだけお話をしました。

まずは、子どもたちに楽しみながら香りに興味を持ってもらうための「香り当てクイズ」。

今年は、

オレンジと柚子
ゼラニウムとラベンダー
ヒマラヤスギとスギ

この3つの組み合わせを用意しました。

それぞれの精油を実際に嗅ぎ比べながら、「柚子」「ラベンダー」「ヒマラヤスギ」だと思う香りを選んでもらいます。

柚子は、子どもたちにもなじみのある香りなので、「冬至に使う植物」といった身近な話をヒントに。
ラベンダーは、学園内で採取したものをドライハーブにして、実際の植物を見てもらいました。
そしてヒマラヤスギは、学園内にあった老木を伐採した際の木部をヒントに。

「この香りは、どんな植物なんだろう?」

香りを嗅ぐだけでなく、植物そのものにも触れながら、香りと植物を結びつけていきました。

さらに、クイズの後には、6つの香りの中から

「好きだな」と思った香り
「ちょっと苦手だな」と思った香り

をそれぞれ記録してもらいました。
すると、同じ香りでも「好き」と感じる人もいれば、「苦手」と感じる人もいます。

香りの好みは、一人ひとり違うもの。
そして香りは、記憶や感情ともつながっています。

「この香り、なんだか好き」
「この香りを嗅ぐと、何かを思い出す」

そんな自分自身の感覚を大切にしてほしいと、香りについてほんの少しお話をしました。
昨年も柑橘系の香りは人気でしたが、今年も柚子やオレンジはやはり人気。

スギは「苦手」と感じる子どもが比較的多かった一方で、ヒマラヤスギは「好き」と感じる子どもが多い結果になりました。

そして、一番人気がなかった香りは……
なんと、ゼラニウム!
大人には人気の高い香りですが、子どもたちの中では意外な結果となりました。

香りの好みは、年齢や経験によっても変わっていくもの。

今回の体験が、これから先、さまざまな香りに出会ったときに「自分はどう感じるかな?」と、自分の感覚に目を向けるきっかけになれば嬉しいです。

そして、今回のワークショップでは、植物の「色」も大切なテーマのひとつ。
ハーブの世界では定番ともいえる、植物色素の実験も行いました。

マロウブルーとバタフライピーを水に浸出し、それぞれに重曹とクエン酸を加えてみます。

すると、植物の色が少しずつ変化していきます。
さらに、それぞれの液を合わせてみると……。

「どうして色が変わったの?」
「何が起きたの?」

子どもたちは、目の前で起こる変化に興味津々。

ちょうどpHについて学ぶ学年ということもあり、植物の色素が酸性・アルカリ性によって変化することや、重曹とクエン酸を合わせたときに起こる反応についても、実験を通して体験してもらいました。

植物は、香りだけではなく、色にもたくさんの魅力があります。

香りを嗅いで、色を見て、実際に触れてみる。

五感を使って植物を楽しむことが、今回のワークショップの大切なテーマのひとつです。


植物に触って香りを香りを嗅ぐ

アロマソルトポプリ作り

ワークショップの前半は「アロマソルトポプリ」作り。

今回はモイストポプリではなく、見た目にも美しく・香りも楽しめるよう・天然塩の粒を使った「アロマソルトポプリ」をつくりました。

ハーブや花の中から、好学園内でご用意いただいた2~13種類ほどの中から、好きなものを自由にセレクト。

色や形、香りを比べながら、それぞれのお気に入りの植物を選んでいき、
最後に、ヒマラヤスギと夏みかんの精油を天然塩に加えます。

この夏みかんの精油は、なんと学園内で育てられている夏みかんの実からつくられたもの。

身近な場所で育った植物を使って、自分だけのオリジナルアロマソルトポプリが完成しました。

早く完成した方には、今回使用したハーブの名前や手触り、香りなど、気になったことを自由に書き出していただきました。

植物の名前を覚えることが目的ではありません。

「この葉っぱは少しざらざらしている」
「この花はこんな香りがする」
「同じ緑色でも、葉っぱの形が違う」

そんな小さな発見を通して、植物にはそれぞれ違った香りや手触り、形があることを感じてもらえたらと思っています。

④ アロマソルトポプリを置く土台づくり

後半は、前半でつくったアロマソルトポプリを置くための土台づくりです。

土台にはヒマラヤスギのコースターを使い、こちらも用意していただいた植物の中から好きなものを選んで自由に飾っていただきました。

例えば、ラベンダーを横に寝かせて飾ってもいいし、育っているときの姿のように縦に立てて接着してもOK。

決まった形や正解はありません。

植物の形や特徴を見ながら、「どうしたら素敵に見えるかな?」と、それぞれの感性で自由にデザインしていただきました。

完成した作品は、どれも個性豊かで、同じ材料を使っていても一つとして同じものはありません。

子どもたちの自由な発想や柔軟な考え方には、私たち大人が学ぶこともたくさんあります。

「こうでなければならない」と決めつけず、目の前にある植物をよく見て自分なりの楽しみ方を見つける。

そんな植物との向き合い方も、今回のワークショップを通して感じてもらえたら嬉しいと思っています。


ご協力くださった皆様へ

今回のサマースクールでは、学校で育つ植物を教材として活用し、植物の香りや色、手触りなどを五感で楽しみながら学ぶ時間をつくることができました。

こうした「身近な植物から学ぶ香育・香草教育」の取り組みは、講師一人の力だけでは実現できません。

学園内で育てられている植物を教材としてご用意くださったことをはじめ、講座の内容について一緒に考えてくださったご担当者様、準備や当日の運営を支えてくださった学校関係者の皆様、そしてお手伝いくださった皆様。

多くの方のご理解とご協力があって、今回の学びの場が生まれました。

植物を育てること。
その植物に触れ、香りを感じること。
そして、そこから新しい発見や学びにつなげていくこと。

学校という日常の中にある植物だからこそ、子どもたちにとっても身近で、自然を感じるきっかけになったのではないかと思います。

このような貴重な機会をいただけたこと、そして素敵な環境を一緒につくってくださった皆様に、心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。


ご依頼について

会社や団体、学校など、それぞれの場所や目的に合わせた講座・セミナーをお受けしています。
植物や香りをテーマにした体験型の講座など、ご希望に合わせて内容をご提案いたします。

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