神奈川県産八重桜からの天然香料抽出

「香りが繋ぐ人と地域の自然」をテーマに、神奈川県産の八重桜の花から希少な“桜の香り”を抽出する取り組みを行っております。
その取り組みに「KAORI PROJECT 八重桜」とつけました。
地域の植物を無理なく活かし、研究と和の香りの視点から天然香料としての可能性を探っています。
桜や香りを通して、人と自然、人と地域がゆるやかにつながる。
そんな循環を目指したプロジェクトです。
プロジェクトについて
2023年、「未利用の八重桜を活かしたい。八重桜の価値を高められる利用法を知りたい」と伺ったことが、このプロジェクトの始まりでした。
この桜を、アロマテラピーやハーブの世界で活かすことはできないだろうか——。
そんな思いから、まずはアブソリュート抽出に挑戦しました。
最初は香りが得られるかどうかも分からず、まさに“実験”のようなスタートでしたが、
少しずつ八重桜ならではのやわらかな香りの世界が見えてきました。
目的と大切にしたいこと
このプロジェクトの目的は
- 八重桜からの香りの抽出をさらに研究し、“桜の香り”としての価値を見出すこと。
- 持続可能な形を見出し、長く続けられる事業に育てていくこと。
- 神奈川県産の八重桜から抽出した、希少な「日本の春の香り」を多くの方へ届けていくこと。
そしてもう一つ大切にしている想いは
このプロジェクトは、香りを抽出するだけでなく
桜や桜の香りを通して人と人がつながり、自然に目を向けるきっかけになることも願っています。
小さなご縁が重なり合い、桜の香りとともに広がっていく——
そんな温かな循環を育てていきたいと思っています。
香りが繋ぐ人と地域の自然
2025年からは地元の農家さんに八重桜の木をご提供いただき、花摘みボランティアの皆さんのご協力のもと、抽出に使用する花の一部を集めています。
人の手で優しく摘まれた花が、香りとなって再び人の手元へと戻っていく——。
この様な全体の循環が、このプロジェクトのテーマの形そのものだと考えています。
日本の春をつむぐ八重桜 — 稀少な香りとその背景
八重桜は、日本の春を象徴する“ふわりと花びらが重なる桜”の総称です。
ソメイヨシノが咲いた約2週間後に八重桜が満開を迎えます。
日本人が「桜の香り」と聞いて思い描くのは、
塩漬けされた桜の花や、桜餅に使われる葉の香りではないでしょうか。
神奈川県は食用八重桜の生産全国1位。
中でも 秦野市は、古くから桜の花を**塩漬け(桜漬け)用に栽培・出荷してきた地域として知られています。(2025年度は八重桜は、小田原市、伊勢原市、厚木市を使用)
この地域の八重桜は、祝いの席で楽しむ「桜湯」や和菓子などに使われるほか、全国的にも高いシェアを誇る名産地として多くの人に親しまれています。
桜の天然の香りが希少な理由

アロマテラピーや香料製造の分野でも、桜の自然の香りは、なかなか手に入らない素材です。
その背景には、
- 花の量が限られていること
- 開花期間が短く、天候や気候に左右されやすいこと
- 花摘みの人手不足が進んでいること
- 香料としての収率が低いこと
- 実際に桜の天然香料抽出に取り組んでいる人が、まだごく少ないこと
など、いくつもの理由があります。
その希少性ゆえに、桜の天然香料としての価値は高く評価されつつも、まだ広く使われる機会が少ないのが現状です。
香りを引き出す── 桜の抽出メソッドと年ごとの違い
八重桜プロジェクトでは、毎年少しずつ方法を変えながら抽出に取り組んでいます。
同じ桜でも、抽出部位や抽出法が変わると香りも大きく変わる——
その違いも、研究の面白さの一つです。
2023年・2024
有機溶剤抽出法によるアブソリュート抽出
研究所の協力のもと、有機溶剤抽出法によるアブソリュート抽出からスタートしました。
1年目は八重桜のやわらかく奥行きのある香りに、2年目はいわゆる「桜餅」の香りに出会うことができました。
2025年
水蒸気蒸留 → 新抽出法* → 有機溶剤抽出
2025年は、より幅広い可能性を探るため、上記の3つの方法で抽出を行いました。
同じ八重桜でも、抽出法ごとに香りの表情が変わることを改めて体感しています。
植物の芳香成分の奥深さ、そして抽出という世界の面白さを、毎年新鮮な気持ちで学び続けています。
(*長島司氏ほか1名により、現在特許申請中の抽出法です)
よくあるご質問
- Q販売している八重桜アブソリュートは、天然100%ですか?
- A
八重桜(関山)の花から有機溶剤抽出法で得られたアブソリュートのみを使用し、
ホホバオイルで希釈しています。
合成香料や他の植物由来エキスなどは一切使用していません。
(※溶剤抽出の工程で使用した溶媒は、製造工程で除去されています。)
- Q研究目的で使用したいのですが、ガスクロマトグラフィー(GC)分析の結果を見ることはできますか?
- A
はい、可能です。
これまでに実施したガスクロマトグラフィー(GC)分析結果(2024年はGS-MSも可)をお渡しできます。
研究や成分確認など、目的に合わせてご相談ください。
八重桜の講座のご案内

「成分から読み解く八重桜の香り学」2026年新講座
同じ八重桜でも、年や環境、部位、抽出法によって香りは変化します。
本講座では、3年間の香りの違いを比較しながら、成分の視点から八重桜の香りを読み解いていきます。
桜らしい香りを表現するためのコツも学びます。
八重桜商品のオンラインショップ
重桜から生まれた香りを、日々の暮らしの中へ。
こちらのオンラインショップでお求めいただけます。
八重桜の花(関山)の提供について
KAORIPROJECT では、現在原材料となる八重桜の花が不足しており、
一緒にこの取り組みを支えてくださる農家さんや個人の方を募集しています。
対象となるのは、神奈川県内で関山(カンザン)などの八重桜を育てており、収穫・納品が可能な方です。
市町村や JA の皆さまからのお問い合わせも歓迎いたします。
私たちは、自然環境や生産背景への配慮を大切にしています。
そのため、お問い合わせいただいたすべての方から必ず買い取りができるとは限りません。
事前に状況を伺いながら、双方に無理のない形でのご相談とさせていただきます。
募集対象
・神奈川県内で関山(カンザン)などの八重桜を栽培されている方
・花の収穫および納品が可能な方
・桜を無理なく活用したいとお考えの方
ご相談の流れ
- お問い合わせフォームよりご連絡ください
- 栽培状況・樹齢・収穫可能量などについてヒアリング
- 条件をすり合わせた上で、買い取り可否を決定
※ 買い取りの保証はしておりません。必ず事前相談のうえで進めさせていただきます。
出荷をご希望の方へ
・開花時期や花の状態により受け入れ可能数量が変動いたします
・天候の影響により、納品スケジュールが前後する場合があります
・収穫方法については相談しながら決めてまいります
桜の季節に、人と自然がやさしく繋がっていく。
そんな循環を一緒に育てていけたら嬉しいです。
まずはお気軽にご相談ください。

